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眠狂四郎(市川雷蔵)

"眠狂四郎"シリーズの見所
眠狂四郎作品については、雷蔵一本買い。眠狂四郎は無敵のスーパーマンである。旗本退屈男ほどノ-天気ではないが、とにかく円月殺法の前に皆、屍を晒す。強すぎて詰らないときさえある。唯一、互角に立ち合ったのは『眠狂四郎無頼剣』の天知茂扮する愛染くらいではないか。その意味でも『無頼剣』を選ぶ。円月殺法VS円月殺法という発想が面白い。もっとも原作者柴田練三郎は「これは俺の作品じゃない」と怒ったそうだが、やはり脚本を書いた伊藤大輔はタダもんじゃないと思わせる。

シリーズの最後になると雷蔵の病んでる相が歴然として痛々しい。ヒーローは原則として死なないのに雷蔵は死を多く演じた。それも宿命なものかもしれない。その雷蔵が狂四郎をやるから、「明日のために、今日生きるのではない」などというキメ科白がキザでなく受け止められるのだ。もう一本挙げるならば、本格的にシリーズ化を決定づけた『眠狂四郎勝負』だろうか。それにしても大映には、月形龍之介、近衛十四郎のような実力を持った相手役がいないのが残念だった。

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